パーソナルトレーナー 布瀬川 謙介の
ランクアップ身体論

2017.08.30更新

・まず自分の体の状態を把握することが姿勢改善のポイント

姿勢を良くしたいと思っている方は多くいると思います。

“良い姿勢”と言っても体にとってなのか見た目なのかいろいろありますが、もちろんどちらもというのが理想でしょう。

そもそも体にとって良い姿勢は見た目もキレイなはずなので両方を得られるはずですが、一般的に言われる良い姿勢は体に負担をかけていることが多いと思います。

 

良い姿勢の定義が曖昧ですので、何が正しくて何が間違っているのかとても分かりにくいのですが、それよりも自分の体がどういう状態なのか認識出来ていないのに、こうあるべきという形に無理やり当てはめようとしてしまうことが問題です。

そうして自分にあった方法ではないことを頑張ってやってしまうという間違いが起こるわけです。

 

私は姿勢を良くするには骨格を変える必要があると考えています。

実際には軟部組織(主に筋膜)が形状を記憶していますので、それを正していくことが骨格を変えるために大切です。

ですので、まずは自分の体のゆがみの状態や癖をきちんと把握し、どうしていくべきかを正しく認識しなくてはなりません。

例えば、左腕に対し右腕の方が上がりにくいという人が、本人の感覚では右の背中につまり感があるということで右の肋骨後面をストレッチしました。

ところが、実はその人は背中ではなく肋骨の前側に問題があったのでいまいち改善していませんでした。

習っている人がこのことを認識するのは難しいので、トレーナーが気づき本人に認識してもらい改善する方法をアドバイスしなければなりません。

 

この例のように姿勢が崩れていたり無理な動きを繰り返すことで、局所的に負担をかけたり特定の筋肉が緊張してしまったりしていますが、自分でコリや痛みを感じている場所以外にも問題が起きていることがたくさんあります。

 

骨格や筋肉のバランスが崩れること以外にも、腰(腰椎と骨盤との連結部位)で体を支えていることで腰回りが固まってしまう、

他にはみぞおちの辺りがつぶれ横隔膜や腹筋が拘縮したまま(縮こまったまま)になってしまい、その結果肋骨(胸郭)が下に引っ張られ首や肩が緊張してしまうなどが例として挙げられます。

 

体(軟部組織)が日常の姿勢や動作に適応して形状を記憶しますので、横隔膜や腹筋の拘縮などは、つぶれた姿勢のまま日常生活を過ごしていれば、いつのまにか当たり前になってしまいます。

すると拘縮したままでつらいはずなのに違和感がなくなりますが、腰や首、肩はいずれ悲鳴を上げます。


そうならないためにも、自分の体の状態を把握出来るように常日頃から自分の体に意識を向ける習慣をつけ、過緊張などの異変を察知出来るようになることが重要です。

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.08.23更新

バレエなどのダンス教室に通っている方から肋骨の引き上げ方や肩の下げ方、姿勢について質問を受けます。

そういう場合には、実際に動作をしてもらうと上手く出来ない理由がよくわかります。

 

姿勢や引き上げを意識し過ぎて固まってしまっているのですからそれ以上動けるはずもありません。

脇の下は、肩を下げようと頑張り過ぎて広背筋や脊柱起立筋など背中の筋肉が力みまくってしまいます。


これで背骨も肩甲骨も自由を失い、引き上げどころではなくなってしまいます。

上半身を引き上げるためには、背骨(周りの筋肉)は力ませず出来る限り緩めておかないとダメです!!

緩めてあれば引き上げるべき方向に余裕がありますが、目一杯まで引き上げようとがんばっていると、緊張している以前に物理的にそれ以上は引き上がらない訳です。(引き上げようとして力んでしまうと、実際には自分で感じているよりもほとんど引き上がっていません。)

ところが、背骨を緩めようとすると背中が丸まり、腰が落ちた姿勢になります!

だらっとするのが緊張を緩めると潜在的に思っているのかもしれませんね。

 

緩めていてもきれいな姿勢に見えるようにするには胸骨(ネクタイみたいで肋骨の真ん中にある骨)を軽く引き上げることが重要です。

ただ胸骨の引き上げも一生懸命やると背筋で背骨を反らせ、胸骨を上に向けるだけになるので全く違う現象になります。

動かせないところには意識がきちんと向いていないので、まずは正確に意識できるようにしなければなりません。

 

ポイントは仙骨、胸骨、第一頸椎と後頭部のつなぎ目(環椎後頭関節)に意識を向け優しく引き上げるようにすることです。

ここに正確に意識を向け動かすことが必要です。

 

そして、とにかく力ずくでグイッとではなく、軽く優しく上げてあげればいい位置に引き上がります。

上手く出来れば、背骨(腰椎、胸椎)周りは力まず、肩も下がりますし手足も楽に動かせるようになります。

 

まずは、立っている時、歩いている時に仙骨、胸骨、環椎後頭関節を引き挙げてみて下さい。
(あくまで優しくフワフワっとというイメージです)


下の図の青い部分が引き上げる意識をすべきポイントです。

 

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投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

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