パーソナルトレーナー 布瀬川 謙介の
ランクアップ身体論

2017.06.28更新

スポーツでは何かと下半身の強さが注目され、それとともにスクワットなど下半身の筋トレが勧められます。

そこで今回は、筋トレのバーベルスクワットとスポーツの押し合いの時との力の発揮の違いについて説明します。

aqa        wda ※ は相殺せれた力のベクトルです

左はバーベルスクワットの絵です。

バーベルも体も抗重力方向に挙げる=1つの方向に力を発揮する動きです。

重い物を最適な状態で扱うことができます。

右は抗重力方向と相手を押す方向の2方向に力を発揮しなければならない動きです。
(さらに相手のいなしの力も加わってきます。)

相撲の押し合いの絵を例にしましたが、他にラグビーのスクラムなども同じです!

この場合は、不安定な状態で力を発揮しなければなりません。

 

スポーツで加わってくるエネルギーの方向

 ・重力方向
 ・相手の出力方向     ⇒  一定なのは重力方向だけです。
 ・相手がいなす方向

 

重心位置が常に力のベクトル上にあることがポイントなのですが、
そのためには背骨、骨盤の角度などを最適にすることが重要です!

スクワットで基礎体力を向上させることは決して無駄ではありませんが、スポーツで力を発揮するためには別の能力が必要です。

格闘技のトレーニングでただ力いっぱい相手を押す練習を繰り返しているところを見たことがありますが、力比べをするなら力が強い方が勝つにきまってますよね。

単なる力比べにならないようにするためには、重心をコントロールし脚で踏ん張らずに力を伝えなければなりません!

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.06.18更新

スポーツ選手が動きを改善しようとするとき、その運動動作で直接(主として)使われる身体パーツの動きを改善しようとしてしまいます。

例えば、

陸上の短距離では『地面をしっかり蹴る』、『股関節の動きを意識して走る』etc.と脚の動きを改善しようとします。

野球のピッチャーではボールを投げる方の腕の動きを時系列順に分けて、問題の部分の動作を改善しようとします。

自転車競技では弧を描くようにペダルを回せるように脚の動きを改善しようとします。


ところが、運動動作で直接使われる身体パーツの動きを意識して改善しようとしても、パフォーマンスはほとんど向上しないということがよくあります。
むしろパフォーマンス低下なんてことにもなりかねませんヽ(;´ω`)ノ

それは、直接使われる身体パーツの動きに意識がいくと、そのパーツに無駄な力が入り全身的な動作は悪くなってしまうからです。

それだけではなく、運動は非常に短い時間で行われるため意識した動きにはならず、動きのタイミングがずれてバランスが崩れてしまうということもあります。

 


パフォーマンスを向上させようとするなら、直接使われない身体パーツの動きを改善することで、直接使われる身体パーツの動きを意識せずに合理化する必要があります。 

短距離走では脚の動きは意識せず、姿勢と腕振りの改善で足の合理的な動きを創り出します。

 

ピッチャーなら、投腕ではない方(グローブをはめている方)の腕の動きを改善します。

目的動作より手前の動きで仕掛けることで、運動連鎖を使えるようにすることも大事です。

そうすれば投動作全体が自然に良くなり、球速も制球力も上がるはずです。

 

自転車競技のパフォーマンスはハンドルの持ち方で決まってしまいます。ハンドルの持ち方をしっかり改善することが出来れば、最適なペダリングになるはずです。


一人ひとり骨格や感覚が違うので、意識する身体パーツや動作のタイミングなど、何が最適かを見極めなければなりません。

 

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2017.06.07更新

今回はだいぶ前に予告して書いていなかった、「体幹を固めてはいけない理由」について説明します。

これまでに体幹トレーニングについて疑問を呈してきましたが、スポーツやダンスで体幹が大事だということについて異論があるわけではありません。

 

ボクが問題視しているのは、体幹の筋肉を鍛えてさらしを巻いたように腹部をがっちり固めてしまいがちなことです。

 

運動をする際には脊柱(背骨)の状態が重要で、生理的弯曲がきちんとしていて柔軟に動くのが理想です。

特に腰椎の可動性は高いパフォーマンスを発揮するためにとても重要です。

 

胸椎は肋骨に囲まれているので可動性が低いのに対し、腰椎の周りには可動を邪魔するものが少ないので本来は動きやすい部分です。

 

ですが、多くの人が腰が丸まっていたり、反りすぎたりしています(よく腰が落ちていると表現します)。

この状態は脊柱(背骨)の弯曲が崩れている状態なので、そのまま体幹の筋肉を鍛えるとバランスが悪いまま脊柱が固まっています。

 

また体幹を固める癖がついて腰椎が動かなくなるだけでなく、腸骨と肋骨下部も動かなくなります。

そうなると胴体はデカい荷物になり股関節だけしか使えなくなります。

 

それをわざわざ体幹を固め脊柱を固定し、股関節のストレッチで可動域を広げて股関節をしっかり使うためのトレーニングをたくさんやります・・・。

そのうちに、体への間違った意識がインプットされ、たとえ本人が体幹を力ませようとしなくても、無意識的に体幹を固めて動作をするようになってしまうので、とても厄介です。


出来るだけ多くの身体パーツを合理的に動かせるように、体幹は固めるのではなくリラックスさせておかなければなりません!!

 



 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

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