いい姿勢をとるとき、肩甲骨を寄せろと言ったり、背すじをピシッとしたりという意識をお持ちの方は多いと思います。
しかし、正しい姿勢をとった時は実は背中は思うよりピシッとはならず楽な感覚だというお話をいたしました。
では、肩甲骨を寄せるなどして背中を緊張させて走ると、ランニングパフォーマンスにおいてどんな問題が起こるのでしょうか?
今回はその2です。
走る上でのデメリット:その2
体幹が固まり、背骨の運動が制限される。
ピシッとした姿勢は、その場に体を留まらせるには都合がいいかもしれませんが、
体が固まってしまうので、進むには実はあまり都合がよくありません。
最近、何かと「体幹」というワードが頻出していますね。
体幹の筋肉を固めて鍛える事が姿勢の維持につながるという考え方もあります。
確かに、真っすぐ立ってその場に留まる事が目的ならば、
そのトレーニングは有効なのですが、
これをランニングで使うとなると、
必ずしも有効とも言えないのです。
確かに、正しい姿勢をつくる事は大切ですが、
筋肉を鍛えると言うよりは、
体に正しい位置を覚えさせる位の感覚でOKです。
正しい位置にするために出来ない動作をトレーニングして、
筋肉のバランスを整える位でOKです。
問題なのは体幹を固めるトレーニングをする事によって、
背骨が柔らかく動かなくなってしまう事なんです。
みなさん、走る時(歩く時もそうですが)は、
使うのは脚だけですか?
腕も振る?
いえ、それだけでなく、
体幹も使うのです!
脚が後に振り出される時、
腕は前に振り出されますが、この時体幹は?
背骨からたわんで、脚が大きく後へ振り出されているのがわかるでしょうか?
こんな風に全身を使って進むのですが、
体幹を固めるとこの背骨のたわみが無くなり、
結果腕脚だけの走りになり、推進力が低下します。
腕脚だけで走るので、当然疲れを感じるのが早くなるわけです。
脚は後ろへスイングされにくくなるので、
太もも裏側の筋肉もあまり使われません。
骨格を整えるために、筋肉を鍛えることを優先すると、
姿勢が良くてもしなやかさが失われた走りになってしまいます。
まとめ:
1.体幹を固めるトレーニングは、体を留めるのには適している。
2.体幹は移動の時にはたわんでいる
だから、ピシッと固めて走らない方がよい。
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