パーソナルトレーナー 布瀬川 謙介の
ランクアップ身体論

2016.12.27更新

今回は、肩下げが出来ない人にありがちな原因の一つ「胸郭(肋骨)」と肩甲骨の関係について説明します。

肩を下げることが出来ないという人の肋骨は上方回旋(側部拳上?)している場合がほとんどです。

例えば、PCで作業している時に、腰を丸め肩をすくめた状態でいると、肋骨の側部が拳上して前側に肩がかぶさったような状態になります。
しかも、PCの画面を覗き込むので顔も前方に下がってしまい肩を引き挙げる筋肉が緩まなくなってしまいます。

下の絵の左側(緑)の肩甲骨、肋骨が正常な向きだと仮定した場合、右側は肋骨(赤)の側部が挙がり過ぎていて、さらに肩甲骨が上方回旋しています。

 肩甲骨


肋骨側部が挙がっていると、その中心にある脊柱(背骨)は下がっている状態になりますが、こうなると単純に肩が挙がって見えてしまいます。

この状態でいくら肩を下げようとしたり胸郭を引き上げようとしても上手くいきません!

また、肩下げや引き上げを間違う人は、地面を基準にして肩下げや引き上げをしているように感じます・・・?
(本人の意識は知りませんが…。)

肩を下げることに囚われず、背骨、肩甲骨、胸郭の位置関係を把握することが大事です。

それを無視して肩を下げようと頑張るほど、脇の下から背中にかけて力が入り過ぎてしまい胸郭が潰されるようい固まり、結果的に肋間の筋が硬縮して機能しなくなります。

胸椎の可動性は胸郭の可動性の影響を受けるので胸郭を押しつぶすような力の入れ方は胸椎を固めてしまうことにもなります!!

腰椎も胸椎も固まってしまったら、脊柱の中で動かせるのは頸椎しかなくなってしまいます。

ところが、この状態だと頸椎の下部は頭の位置や上部の肋骨、胸椎の影響を受け可動性が失われているため、上部頸椎しか動かなくなってしまいます。

このようにして本来は動くはずの脊柱が固められてしまいうとバランスが崩れやすくなるので、身体重心を固定し体を緊張させてバランスを保つ習慣が身についてしまいます。

ですので、まずは体幹(胴体)の緊張を緩めてきちんと立てるようにすることを何よりも優先する必要があります。

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.12.18更新

スポーツの競技パフォーマンスを向上させるには骨格がとても重要になります。

ですが、単純に姿勢が良くなるようにとか、左右対称になるようにということで調整してもダメなんです

前回、『体型と競技パフォーマンスの関係』で紹介しましたが、競技によって理想の骨格が違います。

骨格の中で鎖骨と肩甲骨の関係もパフォーマンスに大きく影響を与えるのですが、

例えば、走る・投げるなどの動作があるスポーツとパワーリフティングのように重たいバーベルを持ち上げる競技とでは、鎖骨と肩甲骨でできる形の理想が違います。

ひし形

 

上図の①がスポーツ動作に必要な菱形のタイプで、②がパワーリフティングに必要な矢印形タイプです。

①は肩甲骨をスライドさせるために必要な条件で、この形で肩甲骨をスライドすることができれば腕をスピーディーかつパワフル(スピード×力)に動かすことができます。

②は肩甲骨を固定させるための条件で、これができると重たいバーベルをしっかりと支えることができます。

もし、競技力を向上させるために基礎体力をつけようとベンチプレスを取り入れた場合、拳上重量が伸びていくとともに逆に競技力が落ちてしまうことも十分に考えられます。

なぜなら、ベンチプレスで重たいバーベルを扱うのとスポーツパフォーマンスを伸ばすのとでは、理想の骨格が全く違うからです。

ですので、筋量を増やしてパワーアップを計ろうと、やたらにウエイト・トレーニングを行わないように注意する必要があります。

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.12.09更新

スポーツパフォーマンスに影響を与えるものは何かを考えた場合、筋力があるか無いか、また骨格筋のバランス、体が柔らかいか硬いかが注目されやすいですが、実は筋力や柔軟性よりも体型(骨格)がスポーツパフォーマンスに与える影響の方が大きいと思います。

 

スプリント毎日新聞より

  

 例えば、短距離走でより速く走るためには、脚の質量が腕の質量に対して小さい方が有利になります。

走る時は、脚を動かすエネルギーと腕を動かすエネルギーの大きさが均一に保たれる(脚と腕の内的運動量が一致する)ので、脚の質量が腕の質量に対して小さければ、それだけ脚を速く動かすことが出来ます。(エネルギーの大きさは質量とスピードで決まってしまうので、動かそうとする物体のエネルギーの大きさに対して質量が小さければ、それだけその物体を速く動かすことが出来ます。)

脚を速く動かすことが出来れば、当然速く走ることが出来ます!

 

走力を伸ばすために脚の筋力トレーニングをたくさんやらせているトレーナーがいますが、速く走ろうとするのなら、脚力は必要ですが脚の筋肥大は避けなければいけません!

黒人のスプリンターが速い理由の一つとして、速筋線維(速い速度で収縮し、大きな力を瞬間的に発揮する筋肉)の比率が高いことが挙げられますが、黒人の体型の特徴の一つ、腕が長くて太いということも速く走れる理由の一つだと考えられます。(腕が長くて太いということは質量が大きくなりますので速く走るのには有利になります。)

黒人朝日DIGITALより

 

 

 

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

2016.12.02更新

・運動は健康に良いというのは安易な考え!

運動は健康に良いとされていますが、健康のために運動をしているという人はしゃかりきになって運動をすると逆効果になることもあるので注意が必要です。

自分の意思とは関係なく体の各機能を調節するのが自律神経で、自律神経には交感神経副交感神経があります。

専門的な話になりますが、交感神経が優位になると白血球の中の顆粒球の比率が高くなります。

顆粒球が死ぬ(ライフサイクルが終了する)と活性酸素になります。すると、その活性酸素が胃やすい臓を攻撃します。

胃やすい臓の機能が低下すると体調に影響がでますので注意が必要です。

他にも交感神経が優位になると内臓の機能が低下したり、血管を収縮させたりします。

細かいところはさて置き、交感神経が優位になり過ぎるといろいろと問題が起きやすくなるので気を付けなければなりません。

無酸素運動(※筋トレetc.)は交感神経が優位に、有酸素運動(ウォーキングetc.)は副交感神経が優位になります。

ちなみに副交感神経が優位だとリンパ球が増えます。

※健康のための運動は、無酸素運動を週1~2回、有酸素運動を週2~3回ぐらいでいいかと思います。

注⦆:※絶対的理論ではありませんのであしからず(^_^;)
    筋トレ=100%無酸素運動ではありません

運動は自分にあった頻度、量で行うことが重要です。次の日に疲労が残らない程度が目安です。

 

 

投稿者: 体玄塾 布瀬川 謙介

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