今回は、肩下げが出来ない人にありがちな原因の一つ「胸郭(肋骨)」と肩甲骨の関係について説明します。
肩を下げることが出来ないという人の肋骨は上方回旋(側部拳上?)している場合がほとんどです。
例えば、PCで作業している時に、腰を丸め肩をすくめた状態でいると、肋骨の側部が拳上して前側に肩がかぶさったような状態になります。
しかも、PCの画面を覗き込むので顔も前方に下がってしまい肩を引き挙げる筋肉が緩まなくなってしまいます。
下の絵の左側(緑)の肩甲骨、肋骨が正常な向きだと仮定した場合、右側は肋骨(赤)の側部が挙がり過ぎていて、さらに肩甲骨が上方回旋しています。
肋骨側部が挙がっていると、その中心にある脊柱(背骨)は下がっている状態になりますが、こうなると単純に肩が挙がって見えてしまいます。
この状態でいくら肩を下げようとしたり胸郭を引き上げようとしても上手くいきません!
また、肩下げや引き上げを間違う人は、地面を基準にして肩下げや引き上げをしているように感じます・・・?
(本人の意識は知りませんが…。)
肩を下げることに囚われず、背骨、肩甲骨、胸郭の位置関係を把握することが大事です。
それを無視して肩を下げようと頑張るほど、脇の下から背中にかけて力が入り過ぎてしまい胸郭が潰されるようい固まり、結果的に肋間の筋が硬縮して機能しなくなります。
胸椎の可動性は胸郭の可動性の影響を受けるので胸郭を押しつぶすような力の入れ方は胸椎を固めてしまうことにもなります!!
腰椎も胸椎も固まってしまったら、脊柱の中で動かせるのは頸椎しかなくなってしまいます。
ところが、この状態だと頸椎の下部は頭の位置や上部の肋骨、胸椎の影響を受け可動性が失われているため、上部頸椎しか動かなくなってしまいます。
このようにして本来は動くはずの脊柱が固められてしまいうとバランスが崩れやすくなるので、身体重心を固定し体を緊張させてバランスを保つ習慣が身についてしまいます。
ですので、まずは体幹(胴体)の緊張を緩めてきちんと立てるようにすることを何よりも優先する必要があります。