・まず自分の体の状態を把握することが姿勢改善のポイント
姿勢を良くしたいと思っている方は多くいると思います。
“良い姿勢”と言っても体にとってなのか見た目なのかいろいろありますが、もちろんどちらもというのが理想でしょう。
そもそも体にとって良い姿勢は見た目もキレイなはずなので両方を得られるはずですが、一般的に言われる良い姿勢は体に負担をかけていることが多いと思います。
良い姿勢の定義が曖昧ですので、何が正しくて何が間違っているのかとても分かりにくいのですが、それよりも自分の体がどういう状態なのか認識出来ていないのに、こうあるべきという形に無理やり当てはめようとしてしまうことが問題です。
そうして自分にあった方法ではないことを頑張ってやってしまうという間違いが起こるわけです。
私は姿勢を良くするには骨格を変える必要があると考えています。
実際には軟部組織(主に筋膜)が形状を記憶していますので、それを正していくことが骨格を変えるために大切です。
ですので、まずは自分の体のゆがみの状態や癖をきちんと把握し、どうしていくべきかを正しく認識しなくてはなりません。
例えば、左腕に対し右腕の方が上がりにくいという人が、本人の感覚では右の背中につまり感があるということで右の肋骨後面をストレッチしました。
ところが、実はその人は背中ではなく肋骨の前側に問題があったのでいまいち改善していませんでした。
習っている人がこのことを認識するのは難しいので、トレーナーが気づき本人に認識してもらい改善する方法をアドバイスしなければなりません。
この例のように姿勢が崩れていたり無理な動きを繰り返すことで、局所的に負担をかけたり特定の筋肉が緊張してしまったりしていますが、自分でコリや痛みを感じている場所以外にも問題が起きていることがたくさんあります。
骨格や筋肉のバランスが崩れること以外にも、腰(腰椎と骨盤との連結部位)で体を支えていることで腰回りが固まってしまう、
他にはみぞおちの辺りがつぶれ横隔膜や腹筋が拘縮したまま(縮こまったまま)になってしまい、その結果肋骨(胸郭)が下に引っ張られ首や肩が緊張してしまうなどが例として挙げられます。
体(軟部組織)が日常の姿勢や動作に適応して形状を記憶しますので、横隔膜や腹筋の拘縮などは、つぶれた姿勢のまま日常生活を過ごしていれば、いつのまにか当たり前になってしまいます。
すると拘縮したままでつらいはずなのに違和感がなくなりますが、腰や首、肩はいずれ悲鳴を上げます。
そうならないためにも、自分の体の状態を把握出来るように常日頃から自分の体に意識を向ける習慣をつけ、過緊張などの異変を察知出来るようになることが重要です。