デカルトの方法序説から
方法序説とはもろもろの知識の中に真理を探究するための方法の試みとでも言いましょうか、とにかく哲学ですから複雑に考えないでください。
真理を導くための精神にするためにデカルトは4つの準則をつくりました。
1 明晰性の規則・・・先入観を排除する
2 分析の規則・・・・・小さく分解して単純化する
3 総合の規則・・・・・組み立てて複雑にする
4 枚挙の規則・・・・・見落としがないか再検討する
先入観を排除する
たとえば、バレエを習えば姿勢が良くなると社会の基準では信じているでしょうが、本当でしょうか。
確かにバレエの基礎練習方法は良くできています。忠実に基本通りできれば姿勢や動作が良くなります。
しかし「おなかを引き上げて」という基本姿勢ひとつとってもほとんど正しくできないのが実態です。
この姿勢がとれない人はバレエの他に”この姿勢をとる練習”が必要なのです。
小さく分解して単純化する
”この姿勢をとる練習”のため、どこの骨をどこの筋肉でどの筋収縮の仕方というように小さく分解して理解し、動作の基をたどり、どれができないかをさぐります。それがわかったらひとつひとつできるように神経を促通させます。
組み立てて複雑にする
できるようになった動作という部品を組み立てて「おなかを引き上げて」がこういう感覚ですよというような微妙な感覚を知ってもらいます。
もちろんこれだけではバレエにはなりませんので、「肩下げ」、「股関節アンデュオール」、「上腕のアンディダン」などそれぞれも仕上げ、それらと「おなかを引き上げて」を関連させて組み立てなければ基本姿勢にならないのです。そこには神経を促通させなければならない部品が山のようにありますので、相当複雑な作業になります。
見落としがないか再検討する
時間が経って感覚を身体が覚えているか、誤解していないか、チェックをします。
もし違っていたら1から順にまた整えてゆきます。
受ける方も指導する方も固定観念があったらできないとても繊細で脳トレチックな作業を根気強くしなければ姿勢と動作の本物には逢えないのです。
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