膝をつま先より前に出さない?? | |
ジムや体操教室で、指導者のほとんどが、スクワットを指導するときに使う言葉があります。 それが「膝をつま先より前に出さないで!」 そうすると、あたかも膝を守り、脚に効きそうな感じがしますが、そうでもないのです。 その言葉を守ろうとして頑張ると、後ろへひっくり返らないようにするため腕を前に伸ばしたり、お腹を出し背中を反ったり、体に悪いことをしてバランスをとらなければならなくなるのです。 しかもこれは不自然(コレクティブモーションに反する)な動作なのです。 この格好で椅子から立ち上がりますか?しませんよね。 | |
なぜ膝がつま先より前に出ていけないのか? それは、右の写真のように重心(赤丸の印)がかかとの方に行き過ぎて背中や腰が丸まり、腰を痛める原因になったり、またひっくり返らないように膝をこれよりもっと前に突き出し、重心をつま先の方へもって行き、バランスをとろうとして、膝に負担をかけすぎるからです。 原因を知らずに、膝やお尻の位置だけをみて 「椅子に座るようにお尻を突き出して、膝をつま先より出さないように」という言葉になったのです。 しかしその通りにやると不自然になるのです。 そもそも右のような格好になる原因は? 実は頭のうえから体が押しつぶされているからです。 何に? 重力にですよ! | |
重力に負けるな利用しろ スクワットが必要な人にとっては、スクワットはむずかし過ぎてできないのです。 重力にいつも負けている人が、すぐに重力を利用できるはずがないですよ。 左の写真が正しいスクワットですが、数あるパターンのひとつです。 下の写真の蹲踞(そんきょ)やバレエのグランプリエもスクワットと私は考えています。 ですから、「膝をつま先より出さないように」という次元ではないのです。 膝は出てもいいのです。 重心(赤色の点)をしっから捉えて、重力を利用して、重力につぶされないようにしたり、重力に反発したりする能力を鍛えるのです。 そういう意味では、スクワットよりも階段や坂道を上り下りした方が、はるかに効果的です。 | |
一番間違っているのはスクワットの目的 「スクワットは何のためにするのですか?」 と問うと、「太ももに筋肉をつけるため」「足腰を強くするため」という答えがほとんど返ってきます。 筋肉をつけ、強くして何をどうするのですか? 本当は健康のため、美容のため、スポーツのためではないでしょうか ボディービルディングを除けば、究極の目的は、重心の移動を良くするためではないでしょうか。 良い歩き方・走り方、力強い正確なスイング・投球・パンチ、より速く・より高くするためにスクワットをしてください。 感覚を変えること 立ち上がる感覚や、バーベルを担ぎ上げる感覚では重心移動は変えられません。 地面に吸い付くようなしゃがみから、天をを突き上げるような地面の押しの感覚に変えることです。 当塾には、そういう感覚になれるドリルがあります。 |
2010.12.27更新
良かれと信じている間違ったスクワット
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