フィギュアスケートと抜重成分
浅田真央ちゃんのコーチでもあり、私のクライアントのコーチの佐藤信夫先生はこう言うそうです。
「ジャンプの前に2回脚を曲げるな!」
この意味を私が説明しますと。
ジャンプはスーと伸ばした姿勢から脚を曲げてゆき、体を沈め一気にジャンプするのが理想的なジャンプなのですが、氷(床)を押す(蹴る)ときに、もう一度更に沈めてからジャンプするので、それは良くないですよ。
と、言うことです。
前回、抜重成分について書きましたが、「もう一度更に沈めてジャンプ」、このことが抜重成分なのです。
体を沈めてジャンプの準備をする体勢をパワーポジションと言うのですが、下の絵の黄色のポジションではジャンプの準備が足らないので、もう一度無意識に沈めて、天井からバネで吊られている体勢を無意識にとって紫色のポジションにしてジャンプしているのです。
これではスムーズなジャンプにならないという訳です。
スムーズなジャンプとは
下の絵のようなパワーポジションをとってジャンプをすることです。
そのためには・・・ 天井からバネで吊られている感覚をイメージして沈み込む
どうすれば出来る・・・ 足首・膝・股関節を赤い→矢印の方向へ、曲げる筋肉(屈筋群)を収縮させて沈み込む
ただし、引力の方向へ落ちるように足首・膝・股関節が”曲がる”のは簡単ですが、引力の方向へ”曲げる”のは非常にむずかしいのです。
そういうことを考える人も少ないので、私が言っていることを理解するのもむずかしいかもしれません。
とにかく引力の方向へ”曲げる”ことができれば、下の絵で描いた緑色のバネができてパワーポジションになれるのです。
天井からの感覚のバネと、足首・膝・股関節の実態のバネ(筋トーヌス)を使って一気にジャンプすれば抜重成分なしのスムーズなジャンプになるのです。筋トーヌスとは、良い意味での筋緊張、つまり筋肉のバネと思ってください。
ポイントは引力の方向へ”曲げる”です。
そのためには、引力の方向へ曲げるCMMエクササイズ・ドリルが必要です。